自覚症状が少ない食道がんは早期発見が難しい!?

自覚症状が少ない食道がんは、健康診断や人間ドックなどの検査で発見されることが多いです。初期段階で見つけられると治癒する可能性は高いですが、発見が遅れるにしたがって予後が悪く(完治させられる可能性が低く)なります。治癒させるためには、早期発見が重要なポイントとなってくるでしょう。

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食道がんは40歳後半から罹患率が高くなり始め、50代後半から急激に発症する人が増えます。60代がピーク(平均発症年齢は64歳)です。どのような人が患い、どういった症状があるのかなど基本的なことから知っておきましょう。

人間の食道

食道の大きさや形、働き

喉と胃の間を繋ぐ食道は、長さ25㎝、太さ2~3㎝、厚さは4mmくらいの管状の臓器です。食道のほとんどが胸あたりにあり、残りは首や腹部あたりにあります。お腹と背中を横から見た中心部に食道はあり、上部は気管と背骨の間、下部は大動脈や肺、心臓が囲んでいます。食道は食べ物を胃まで送る役割をしています。食べ物は飲み込んだときに重力で下に流れますが、流れているときに食道の壁も動き、胃までしっかりと食べ物を送ってくれるのです。ちなみに食道の出口は神経と筋肉の連係により、食べ物が逆流しづらい構造となっています。食道には消化器官がないので食べ物の通り道という役割しかありませんが、食道があってこそ食べ物を胃まで届けられるため、非常に重要な臓器です。

食道がんについて

日本人の食道がんは、胸の中央付近にある食道で発生しやすく、その次に下部で発生しやすいです。食道の内側には粘膜があり、がんはその表面からできる仕組みになっています。粘膜の表面を上皮と呼び、約90%以上もの日本人が扁平上皮がんとされています。欧米人は日本人とは逆で、約半数以上の人が腺がんです。腺がんのほとんどが食道の下部でできます。腺がんになる原因は生活習慣や食生活の乱れとされており、近年、食生活が欧米化している日本人も腺がんが急増すると予想されています。

また、まれな症例ではありますが、食道がんには他に、消化管間質腫瘍やがん肉腫、悪性黒色腫といった特殊な細胞から発生するがんもあります。

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食道がんには扁平上皮がんと腺がんの2種類あるのですが、発生する際の特徴が異なります。

扁平上皮がん

食道の内側にある上皮に発生するがんです。刺激物や異物から刺激を受けることで細胞分裂が繰り返されて、そのときにがん細胞に変異します。扁平上皮は平たい形の細胞で作られており、発生した部分の細胞の性質を受け継ぐため、形や性質も似ています。

腺がん

食道の内側にある食道壁には、食道腺と言って粘膜を分泌してくれる粘膜分泌腺があります。腺がんはこの食道腺を作っている腺細胞が、がん細胞に変異して起こる悪性腫瘍のひとつです。円柱状や立方状の形をしています。

食道がんの6つの症状

食道がんは無症状の場合が多く、自覚症状が少ないと言われています。発見が遅れてしまうと浸潤や転移をしてしまい、治療が難しくなってきます。症状を知り、少しでも当てはまる場合はいち早く医療機関を受診するようにしましょう。いかに早く気付き、行動するかが治療のカギを握ります。

食道がしみる

食道がん初期段階のときに見られる症状です。食べ物を飲み込むと胸の奥に痛みを感じ、熱いものを飲み込んだときにはしみます。

食べ物が詰まりやすくなる

がんが大きくなると食道が狭くなり、食べ物が詰まってしまいます。食べ物をしっかり噛まずに飲み込んだ際に気付くことが多いです。

体重減少

食べ物が詰まりやすくなると食事量が減り、低栄養状態が続いて体重が減少します。3ヶ月で5~6kg減少した場合は注意しましょう。また、がん細胞が増殖するために栄養を奪うことで体重が減少する場合もあります。これは、他のがんでもよく見られる症状です。

胸の奥や背部に痛みを感じる

がんが食道壁を貫き、肺や背骨、大動脈などを圧迫すると胸の奥や背部に痛みを生じます。肺や心臓が病気の場合もこのような症状が見られますが、念の為に食道も検査してもらった方が良いでしょう。

むせるような咳

食道がんが気管や気管支、肺などにも転移してしまうと、むせるような咳が出るようになります。飲食物を摂取したときに起こりやすい症状で、血が混ざった痰も見られます。

かすれた声

声を調節している神経が、がん細胞で破壊されたときに起こる症状です。声にかすれが見られると耳鼻咽喉科を受診する人が多いですが、食道がんを疑いレントゲン検査もした方が良いです。

食道がんの原因&転移リスク

ここでは、どのような人が食道がんを患いやすいのか、について説明をしていきます。該当する人は食道がんを発症する可能性が高いので、生活習慣を改善することをオススメします。

お酒が好きな人

ビールを持つ男性

日本人は欧米人と異なり、アルコールを分解してくれる酵素が弱い人が多いです。また、アルコール分解後にできる、アセトアルデヒドという二日酔いを起こす成分を分解してくれる酵素もあまり持っていません。この日本人特有の遺伝子の変異が、アルコール摂取後にがん細胞を発生させると考えられています。

熱い食べ物や刺激物が好きな人

料理

熱い食べ物や刺激物を頻繁に口にすると、食道は刺激を受けやすいです。刺激を受けることで、正常な細胞ががん細胞へと変異する可能性が高くなります。通常は免疫細胞ががん細胞を攻撃してくれますが、がん細胞が増殖すると排除が間に合わなくなり、がん細胞の分裂が始まってしまうのです。

たばこを吸っている人

タバコを吸う人

たばこは食道がんのみならず、肺がんや胃がんなどのすべてのがん発生リスクを高めます。喫煙者は禁煙者の約2倍以上食道がんになりやすいというデータが出ており、実際に食道がんにかかるほとんどの人が今でもたばこを吸っている人や、以前たばこを吸っていたと言う人です。たばこを吸っている人は罹患率が高い50代に差し掛かる頃、とくに注意をした方が良いでしょう。

様々な症状で「食道がんかも……」と気付き検査を受けたときには、がんは進行しているケースが多いです。がんは大きくなると食道外膜まで広がります。食道には”漿膜(しょうまく)”と呼ばれる内蔵を守ってくれる膜がないので、食道周辺にある臓器にがんが転移しやすい状態にあります。食道周辺には気管や気管支、肺や大動脈、心臓などの体に重要な臓器があり、転移してしまうとがんの切除手術を受けるのは困難です。

また、食道がんは腹部や首にあるリンパ節に転移する場合もあります。リンパ節に転移してしまうとそこから全身にがん細胞が流れてしまい、あらゆる臓器でがんが発生するのです。食道がんは死亡率が高いと言われており、進行すると手の施しようがなくなるかもしれません。ですから、早期発見と生活改善が大事になってきます。

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